症例
11歳 上の前歯の根っこが無くなり、前歯を失いそうになった症例
この症例は、初診時の状態を見て、それほど歯並びが悪くないと感じる方も多いと思います。
一方で、終了後の歯だけの写真を見てもらうと、少し違和感を感じる方もいるかもしれません。
最初の状態を見てもらうと、上の前歯の後ろに少し隙間があるのが確認できます。
そこには、両側とももう一本ずつ歯が入らなくてはいけません。
ということは、その隙間分ではすこし足りません。
つまり、この症例はまだ生えてきていないので分らないだけで、八重歯になりそうな症例なのです。
ところが、この八重歯になりそうな埋まっていた犬歯は、レントゲン状でとても変な方向に向かっていることが確認できました。
上の前歯の歯根を直撃する方向に生えようとしていました。
そのために、前歯の歯根が犬歯により押される状態となっており、前歯の歯根達が溶けて無くなりそうな感じになっていました。
前歯は数えて貰うと分ると思いますが、4本あります。4本とも程度の大小はあるものの、根っこが溶けていました。
治療を始めるに当たり、まずはその変な方向に生えていきそうな犬歯の生えてくる方向を変えることから、治療を開始しました。
方向を変えるには、埋まっている犬歯に装置を付ける必用があります。歯肉切開し、犬歯を掘り起こし、装置を付けました。
それで、犬歯の萌出方向を変えて、歯茎から見えるところまで引っ張りました。
その時点で、前歯の根っこがどれくらい残っているかを評価しました。
その結果、一本の前歯は保存が不可能なほど根っこが溶けていましたので、その歯は抜歯することにしました。
ほかの3本は、少し溶けている物の、保存はできそうなので残しました。
その抜いた歯の隙間を利用して、上の歯が並ぶだけの幅を確保して、歯列矯正しました。
ですので、上の前歯は1本足りていません。ということで、歯だけをよく見ると少し違和感があるかもしれません。
しかし、スマイルの写真を見てみると、かなり自然な笑顔です。
もし、矯正治療をしていなかったら、前歯の根っこが全滅して、前歯を全て失っていた可能性があります。
今となってはその心配はありません。
最初の状態から、将来歯の心配をしなくても良いような、最善の治療方針で治療できたのではないかと思います。
・治療内容
1本上の歯を抜いて隙間を作り、前歯のデコボコ・八重歯を改善します。
ブラケット装置で矯正します。
・費用等に関する事項
おおよそ80万から100万円くらい
・治療等の主なリスク
治療期間が長引く事があります。
歯根が短くなる事があります。
歯肉が退縮することがあります。
・副作用等
矯正治療中に歯磨きを怠ると通常より虫歯になりやすくなります。
保定装置を怠ると、後戻りします。
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